元来「箪笥」とは、日本の古典的な家具の名称であり、引き出しを主とした収納家具のこと。
現在ではこれらを和簞笥とも呼び、近代になって西洋風の収納家具が用いられるようになったときにも、これらを箪笥に含めて洋簞笥や洋服簞笥などと呼ぶようになりました。英語でいう"Wardrobe"(外来語としてのワードローブ)などがそれにあたります。
和簞笥には、両脇に棹通し金具がつけられており、長持と同様に棹を通して持ち運べるようになっています。これが簞笥の数え方「棹」の由来になっています。
また衣服を収納する整理簞笥、衣装簞笥、洋服簞笥、食器を収納する茶簞笥などが一般的でありますが、手回り品を入れる用簞笥、帳面を入れる帳簞笥(帳場箪笥)、薬屋で生薬を入れるのに使われた百味簞笥(薬箪笥)、武家の刀簞笥など、入れるものに合わせて様々な大きさや形の簞笥が作られてきました。
また形態的には、盗難防止のからくりを施したからくり簞笥というものや、逆に非常時に簞笥ごと押して持ち出せるように車輪を付けた車簞笥というものもあります。
日本では他にも階段の形をし、実際に階段として利用される箪笥階段(階段箪笥や箱階段など)があります。